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板倉 隆二
強光子場の化学, p.52 - 57, 2015/03
強レーザー場中分子の解離性イオン化は、光電子放出、分子イオン内部の電子励起など複数の素過程が複雑に絡み合い、多様な反応チャンネルを持つ。各チャンネルへの反応経路の詳細を明らかにするため、(1)光電子放出(イオン化)過程と(2)その後の分子内電子励起過程を分離して理解することが重要である。本解説では、光電子・光イオン同時計数計測法を使って、強レーザー場中における解離性イオン化反応経路を明らかにした最近の成果を紹介する。
深堀 信一*; 中野 元善; 山内 薫*; 板倉 隆二
no journal, ,
光電子・光イオン運動量同時計測法によって、メタノールの解離性イオン化における、メタノールの1価イオンの電子励起状態の生成過程を調べた。(1)解離チャンネル毎に得られた光電子スペクトル、(2)光電子とフラグメントイオンのエネルギー相関、(3)解離チャンネルおよびエネルギー分解光電子角度分布の3種類の観測結果から、電子励起状態が光電子放出に伴って生成する過程と光電子放出後の電子励起によって生成する過程が並存することを明らかにした。
板倉 隆二
no journal, ,
高強度場物質制御研究グループでは光電子光イオン同時運動量画像測定器を開発してきた。本講演では、エタノールとメタノールに関する実験結果を紹介し、光電子と光イオンとの間の3次元運動量相関から強レーザー中で起こる分子のイオン化、及び電子励起の経路を明らかにできることを示した。